社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

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夫婦二人でささやかな夏の祝い膳

 江戸の芝(東京都港区)で先祖代々商売を営んできた私は、芝のつくものが大好きだ。落語のお気に入りは「芝浜」だし、好物はエビの芝煮、おまけに愛犬は柴犬だ。  梅雨も明け、うだるような暑さの中、「ウナギでも食べないか」と女房にいうと、「ウナギだけじゃだめよ。あんたは数値が高いんだからバランスよ、バランス。今日は、大事な記念日だから奮発したわ。ウナギもエビの芝煮も入っているわよ」とお膳を運んできた。 「こんなに食べたらまた数値が上がっちまうよ」といいながら、記念日ってなんだっけと考えた。「これで600カロリーしかないのよ。うな重よりヘルシーよ。済生会のホームページを見て作ったから大丈夫」と自信たっぷりに切り返された。 「これは、いけるねぇ」というと女房が満面の笑みを浮かべている。 うーん、大事な記念日ってなんだ。

献立のポイント

今回使用した食材
今回使用した食材
※芝エビは代用品です

 中央病院では、月に1~2回、その月や季節にちなんだ行事食を提供しています。中でも、年に2回登場するお弁当形式のメニューが好評です。今回は、このレシピを一般向けにアレンジし、エビ、ホタテ、甘鯛など、祝い事に多く用いられる食材を盛り込んだ、豪華な御膳に仕上げました。
 この時期に土用の丑の日を迎えるウナギや、夏野菜のオクラなど旬物のほか、西京焼き、酢の物、煮物、白桃羹は、それぞれ味噌、酢、醤油、砂糖で味付け。バリエーションも豊かです。さらに煮物のにんじんは花形、里芋は六角形と、食材を飾り切りにして、すまし汁には花形の麩を浮かべるなど、見た目も華やかに。また、エビは港区の芝地域が由来となった「芝煮」で調理されています。

芝エビ

芝エビ

東京タワーがある東京都港区周辺は芝と呼ばれており、昔はすぐそばが海でした。そこではエビがよく獲れ、東京湾で獲れる同様のエビも「芝エビ」と呼ばれるようになりました。また、芝周辺の海岸ではほかにも新鮮な魚介類が獲れました。素材の味を生かすようにうす味でさっと煮ることが多く、これを「芝煮」と名付けました。同じく東京の地名が由来となった料理に「佃煮」があります。芝煮とは反対に、醤油や砂糖で濃く味付けして煮詰めます。江戸時代に「佃島」と呼ばれていた東京都中央区月島周辺で、保存食として作られたのが始まりです。

1食の栄養価 (1人分)

エネルギー 593 kcal
たんぱく質 36.5 g
脂質 8.9 g
カルシウム 138 ㎎
3 ㎎
ビタミンA 299 μgRE
ビタミンB1 0.21 ㎎
ビタミンB2 0.44 ㎎
ビタミンC 13 ㎎
食塩相当量 5.4 g
食物繊維相当量 4.1 g

エネルギーを500kcal以下にする場合

主食を減らし、白桃羹を0kcal水ようかんに変更

デザートは白桃羹ではなく0kcalの水ようかんに変更し、ごはんを150gから100gに減らすと、カロリーは110kcal減少します。

塩分を2g以下にする場合

酢の物・西京焼きは無塩、煮物はうす味にする

酢の物は無塩にし、西京焼きは無塩の焼き魚にして減塩醤油につけて食べます。また、煮物はだし汁を濃くし、使用する醤油を5g、砂糖を2gに変更します。

済生会中央病院 栄養管理科 木村 正彦

レシピ作成
済生会中央病院
栄養管理科 技師長代理 木村 正彦