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大寒寒さ本番! 
牡蠣とタラの重ね焼きでカラダほっこり

あったか手料理で卒寿の祝い

 先日、祖父が九十歳の誕生日を迎えた。当日は仕事で祝いに行けず、週末、七歳の息子を連れて祖父母の家を訪ねる。居間をのぞくと、二人はこたつの定位置に座って、仲良くテレビを鑑賞中。近くに住む母が飾ったのか、窓辺に生けられた松とナンテンの実がわずかに正月気分を残す。
 「ひーじいちゃん、お誕生日おめでとう!」と駆け寄る息子に「おう、大きくなったな」と祖父がニカッと笑顔で答える。
 大正生まれの祖父は、以前は無口で家事や身の回りのことは一切しない、亭主関白を絵に描いたような人だった。しかし、おしゃべりで料理上手な祖母が数年前にアルツハイマー型認知症を患って以来、祖母と入れ替わるようによくしゃべり、台所に立って簡単な調理もこなすようになった。
 牡蠣を使った重ね焼きにサツマイモごはんと、祖父の好物を作って出すと、
「料理うまくなったな」とモリモリ箸を進めてくれる。その横には、
「おいしい。誰が作ったの?」と一口食べるたびに喜ぶ祖母の姿があった。
 二人とも、いつまでも元気で長生きしてね。

献立のポイント

今回使用した食材
今回使用した食材

 サツマイモといえば埼玉県の川越を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。その栽培が盛んになったのは、江戸時代のことです。もともと川越イモは質がよく、さらに江戸と河川で結ばれ運搬にも適していたことから、一大産地となったといわれています。この名産品をたっぷりと炊き込んだサツマイモごはんに、冬の味覚・牡蠣を使った濃厚な重ね焼きと、梅ドレッシングを使ったあっさりサラダを合わせてバランスのよい献立に仕上げました。
 牡蠣(カキ)は「海のミルク」とも呼ばれるように、栄養分がとっても豊富。特に鉄や銅、亜鉛などのミネラルをたくさん含んでいます。亜鉛はホウレン草にも比較的多く入っており、牡蠣とタラ、ホウレン草にマヨネーズソースをかけてグラタン風に焼くことで、栄養満点の主菜が完成。ソースに混ぜたカレー粉の香りが、より食欲をそそります。あったか汁は、クセの少ない食材を使った具だくさんの汁物で、どんな料理にも合うすぐれものです。一年で最も寒いこの時期、おろし生姜を添えたとろみのあるスープを飲んで、身体の芯から温まりましょう。

小松菜

小松菜

 埼玉県は小松菜の出荷量が全国1位。古くから関東で作られてきた野菜で、今でも首都圏への出荷量が多いようです。通年栽培されていますが、冬の寒さに強く、本来の旬は11~3月。霜が降りた後のほうが葉が柔らかくなって甘味も増し、一層おいしくなるといわれています。

レシピ作成
川口総合病院
栄養科
鈴木 多喜子(右)
山田 直美(左)

1食の栄養価 (1人分)

エネルギー 699 kcal
たんぱく質 26 g
脂質 30.1 g
カルシウム 373 ㎎
8 ㎎
ビタミンA 361 μgRE
ビタミンB1 0.43 ㎎
ビタミンB2 0.51 ㎎
ビタミンC 52 ㎎
食塩相当量 4.5 g
食物繊維相当量 9 g

エネルギーを500kcal以下にする場合

サツマイモごはんの分量と
重ね焼きのマヨネーズソース量を減らす

サツマイモごはんに使う米の量を1人あたり70gから50g、サツマイモの量を1人35gから20gに減らします。また、牡蠣とタラの重ね焼きにかけるマヨネーズソースの量を半分にしましょう。

塩分を2g以下にする場合

サツマイモごはんと重ね焼きに使う塩を省き、ドレッシングとお汁は半量に

サツマイモごはん、牡蠣とタラの重ね焼きに入れる塩を省きます。梅香サラダにかけるドレッシングは半量にし、リンゴ酢などで割りましょう。そして、あったか汁の盛り付け量を半分に減らします。