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小雪晩秋を彩る 銀杏きらめくモチモチ中華おこわ

五穀豊穣、家内安全を願う祭りの風景

「お姉ちゃん、お祭り見に行こうよ!」
秋祭り。朝から聞こえる祭ばやしのせいか、なんだか町中がソワソワ、ワクワクしている。妹にせがまれ神社へ向かう道すがら、ハッピ姿の父と兄をみつけ大きく手を振る。参道のイチョウの木は鮮やかに色づき、澄みきった青空によく映えとてもきれいだ。
露店巡りに参拝と、はしゃぎ疲れた妹の手を引いて家に帰ると、「ほれ、銀杏の殻むき手伝ってちょうだい」食事の支度をしていた祖母に呼び止められる。銀杏は紙袋に入れてレンジにかけると、簡単に殻が取れる。ホクホクの銀杏をつまみつつ、残った薄皮をむく。
「それ終わったら、畑に行って白菜取ってきてね」祖母の隣でエビを揚げる母からも声がかかる。
畑から白菜を抱えて戻ると、台所からは、おこわの炊き上がるいい香り。思わず、おなかがグゥと鳴る。祖母の作る中華おこわは絶品なのだ。
お祭りが終わると、いよいよ本格的な冬が始まる。

献立のポイント

今回使用した食材
今回使用した食材

 季節の食材を使った、簡単中華料理です。銀杏入り中華おこわは、蒸し器を使わず炊飯器で炊きあげます。最初に具材を炒めて炊飯器にセットすれば、他の料理を作っている間にできあがり。殻付きの銀杏は下処理に手間がかかりますが、すでに殻がむかれている缶詰や真空パックのものと比べ、食べたときのおいしさが格段に増します。
 主菜のエビとブロッコリーの炒め物は、エビの赤とブロッコリーの緑の色合いをきれいに出すことがポイントです。そのためには、下ごしらえの際にエビを油で揚げ、ブロッコリーは歯ごたえが残るくらいの少し固めにゆでることが重要。副菜のサラダには白菜と春菊をたっぷりと使いました。どちらも、生で食べることは少ない野菜ですが、旬の今こそぜひ試してほしい一品です。わきに添えたユズの香りも食欲をそそります。
 卵スープは、カンピョウ入りです。カンピョウは卵との相性がよいうえに、長さをそろえて千切りにしているので食感も楽しめます。とろみを付けているため冷めにくく、少し肌寒くなってくるこの時期におすすめです。

カンピョウ

カンピョウ

 栃木県の特産品で、夏の暑い時期にユウガオの実をひも状にむき、天日に干して作られます。乾物なので保存性があり一年中食べられるうえ、食物繊維が豊富というのが特徴です。また、カンピョウそのものには味がほとんどないため、肉や魚などどんな料理にも利用できます。栃木県では、お寿司の材料としてだけではなく、みそ汁の具や、卵とじにしても食べられています。

レシピ作成
宇都宮病院
医療栄養科 係長
阿久津 貴子

1食の栄養価 (1人分)

エネルギー 656 kcal
たんぱく質 37.5 g
脂質 17.5 g
カルシウム 267 ㎎
3.8 ㎎
ビタミンA 273 μgRE
ビタミンB1 0.45 ㎎
ビタミンB2 0.46 ㎎
ビタミンC 129 ㎎
食塩相当量 4 g
食物繊維相当量 11.4 g

エネルギーを500kcal以下にする場合

おこわに使うもち米の量を減らし、
炒め物の調理法を変更

銀杏入り中華おこわに使用するもち米の量を、1人あたり75gから50gに減らします。エビとブロッコリーの炒め物に入れるエビは、油で揚げずにゆでます。さらに、具材は炒めず、中華鍋に調味料を50ccの水で溶いたものを煮立たせ、そこに具材を入れて水溶き片栗粉でからめます。これで、163kcalのエネルギーを減らすことができます。

塩分を2g以下にする場合

おこわとスープに使う調味料を減らし、
サラダの醤油は減塩醤油に替える

銀杏入り中華おこわに入れる豚肉は、醤油を使わずに酒のみで下味をつけます。もち米の量も1人あたり75gから50gに減らし、調味料を1/2の量にします。さらに、カンピョウ入り卵スープに使う水の量を100ccに減らし、調味料は1/2の量に。そして、白菜と春菊のサラダのドレッシングに入れる醤油は、減塩タイプの醤油に変更。これで、2.1gの減塩になります。