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小暑大阪の夏を涼やかに!栄養たっぷり簡単押し寿司

七夕、手料理に込める願いごと

 「じいちゃん! みて!」 保育園に着くと、最近、言葉を発し始めた二歳の孫が駆け寄ってきた。手には園で作った七夕飾りを持っている。今日は、近くに住む娘夫婦がどちらも仕事で遅くなるというので、私が孫のお迎え係だ。  孫と家に戻り、夕食の支度をしていると、同窓会に行っていた妻が帰ってきた。出来上がったばかりの押し寿司を一口つまみ、 「あら、おいしい。押し型使わずに作ったの?」と驚いている。野菜嫌いの孫のために、酢飯の中に細かく刻んだ野菜を、たっぷりと混ぜ込んだ力作なのだから当然である。上にのせたウナギの小骨を丁寧に除き、孫に食べさせてやると、口いっぱいにほおばりながら、 「じいちゃん! おいしい!」と満面の笑みを見せる。大成功だ。  定年してから、料理作りに凝り始めた私だが、好き嫌いの多いこの孫の食事には、毎回、悪戦苦闘を強いられる。それでも「おいしい」の笑顔で、苦労も吹き飛ぶというものだ。なんでも食べて大きく育てよ!

献立のポイント

今回使用した食材
今回使用した食材

 木製の押し型に魚介類や酢飯を詰めて作る、見た目にも美しい押し寿司は、大阪の郷土料理です。今回は、ご家庭でも簡単に押し寿司を楽しんでもらえるよう、木箱の代わりにどこのご家庭にもあるタッパーを利用したレシピを考案しました。メイン食材には、この時期、土用の丑の日に食べられることの多いウナギを使用。酢飯にニンジンやシイタケといった具材を多く混ぜ込むことで、ご飯の量が減らせるだけでなく、色鮮やかさも増します。さらに、ミョウガやシソを入れることで食感と香りがよくなり、食欲増進効果も期待できます。
 すまし汁には、七夕の行事食としては定番のそうめんを使いました。三つ葉を加えて香りのアクセントにしています。
 デザートには、カットした桃の上に、クラッシュしたゼリーを盛りつけた日本酒ゼリーを用意。ほんのりと日本酒の香る、見た目も味わいも爽やかな一品です。

冬瓜

冬瓜
※今回は琉球冬瓜を使っています

 夏の関西の食卓でポピュラーな冬瓜。さっぱりとした食感で、皮をむいたときに現れるヒスイ色が涼しさを演出し、暑い夏にぴったりの食材です。95%以上が水分で、カロリーが低く、ナトリウムの排泄を担うカリウムを豊富に含みます。また、丸ごとであれば、風通しのよい冷暗所で数カ月ほど日持ちする、貯蔵性の高い野菜です。


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レシピ作成
吹田病院
栄養科
管理栄養士 久保 恵里(左)
管理栄養士 石橋 真由美(右)

1食の栄養価 (1人分)

エネルギー 680 kcal
たんぱく質 33.9 g
脂質 16.1 g
カルシウム 298 ㎎
3.7 ㎎
ビタミンA 465 μgRE
ビタミンB1 0.40 ㎎
ビタミンB2 0.50 ㎎
ビタミンC 34 ㎎
食塩相当量 6.3 g
食物繊維相当量 8.7 g

エネルギーを500kcal以下にする場合

米の量を減らし、ウナギをハモに代用

押し寿司に使用するお米の量を減らし、代わりに野菜の量を増やしてボリュームアップ。さらに、酢飯の上にのせるウナギも、ハモなどのカロリーの低い魚で代用します。また、すまし汁の具は、そうめんからあさりに変更。そして、日本酒ゼリーには、砂糖の代わりに人工甘味料を使います。

塩分を2g以下にする場合

すべて減塩の調味料に変更し、
「夏野菜の葛あんかけ」の野菜をだしで煮る

使用する調味料は、すべて減塩タイプに変更します。「夏野菜の葛あんかけ」に入れる冬瓜などの野菜は、調味料を加えず、だしのみで炊き、葛あんだけ調味料で味を付けます。また、塩分の多いすまし汁は、酢の物で代用しましょう。