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白露北の大地の恵み ~お月見椀を添えて~

娘が振る舞う初めてのごちそう

 「イカ飯って作るの難しいかなあ?」 夕飯を作っていると、ふと小5の娘から声をかけられた。以前「そ ろそろ卵焼きの作り方でも教えようか」と聞いたときには気のない 返事だったのにどうしたのだろう? 「もうすぐ敬老の日でしょ? せっかくだからおじいちゃんおばあ ちゃんにご飯を作ってあげようと思って。おばあちゃんはイカ飯が 好きだし、おじいちゃんはジンギスカン食べたいって言ってたよね」 孫に作ってもらうなんて初めてだから2人とも喜ぶだろう。ちょ っと糖尿の気があるおじいちゃんも、ジンギスカンの肉は少なめに してカボチャとトウモロコシを外せば食べられると、この前小樽病 院の栄養健康教室で言っていた。娘に伝えるとうなずき、 「あ! そろそろキノコも採れるころだね。お父さんと採ってくる!」 献立も完成しそうだ。あとはお月見椀でも入れたら完璧かな?

献立のポイント

今回使用した食材
今回使用した食材

 イカ飯とジンギスカンは北海道の郷土料理。イカ飯は人気の駅弁としても有名です。ジンギスカンは、羊肉の活用方法として広まり、タマネギなどの野菜も豊富に収穫できたために定着したと言われています。多くの家庭が、真ん中が凸状になったジンギスカン用の鍋を持っており、専用のタレが販売されているほど、生活に密着した料理です。
 お月見椀は中秋の名月をイメージ。水溶き片栗粉で汁にとろみをつけているため、卵が沈まず、ふんわりとした満月が浮かびます。調理の際には、卵をしっかり泡立てることがキレイに作るコツです。さらに、夏の暑さで疲れた体をリフレッシュできるよう、さっぱりとした味わいの酢の物を添えています。

落葉(らくよう)キノコ

落葉(らくよう)キノコ

「ハナイグチ」というキノコを、北海道では「落葉キノコ」と呼んでいます。落葉樹・カラマツなどの根元で採れることがその名の由来です。北海道の山では気軽に採れるため、道民の"キノコ狩り"と言えばこれを指すほど。9~10月が収穫時期で、多くの人が山菜と併せて採りに出かけます。


多田 梨保

レシピ作成
小樽病院
栄養管理室 技術係長
多田 梨保

1食の栄養価 (1人分)

エネルギー 670 kcal
たんぱく質 50.5 g
脂質 15.5 g
カルシウム 77 mg
4.4 mg
ビタミンA 177 μgRE
ビタミンB1 0.42 mg
ビタミンB2 0.59 mg
ビタミンC 62 mg
食塩相当量 6.3 g
食物繊維相当量 8.8 g

エネルギーを500kcal以下にする場合

イカ飯はもち米の量を減らして
野菜やキノコを加える

イカ飯のもち米の量を減らして、野菜やキノコを詰めます。さらに、切り分けたイカ飯の食べる量を減らします。また、ジンギスカンのカボチャとトウモロコシをなくすと、73kcal減少します。

塩分を2g以下にする場合

イカ飯を白飯に変更し、
ジンギスカンは塩コショウで味付け

イカ飯は塩分が多いので、白飯に変更します。ジンギスカンをタレではなく、塩コショウで軽く味付けすると0.4g減少します。