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済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
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2022.11.02
翼状片は白目(結膜)の組織が黒目(角膜)の中央に向かって進入する病気です。
鼻側に生じることが多いですが、耳側や上下に生じることもあります。結膜の組織が進入した際の形状が鳥の翼に似ていることから「翼状片」といわれるようになりました。
発症の原因は不明ですが、加齢や紫外線のほか、コンタクトレンズの長期装用などによる慢性的な刺激などが指摘されています。
目の充血や異物感があります。また、角膜に侵入した翼状片が白く濁ったり、盛り上がったりします。組織の進入が進むと、乱視がみられるようになります。乱視の悪化により視力の低下が起こります。
例外はありますが、一般的に症状はゆっくりと進行していきます。
「細隙灯(さいげきとう)顕微鏡」と呼ばれる拡大鏡を使って検査し、結膜の組織が角膜へ侵入していることを確認できれば、診断は確定します。
悪性の組織ではないため、翼状片がそれほど進行していない場合は必ずしも治療は必要ありません。
充血が強いときなどは、症状に合わせて点眼治療を行ないます。
美容上の理由や視力障害などがあれば、外科的切除手術を行ないます。ただし、術後の再発率が高い、充血が残りやすい、という特徴があります。
日頃から目視で結膜の局所的な充血がないか、結膜から角膜へつながる濁りがないかセルフチェックをすることが大切です。自分で確認するのが難しければ、眼科の受診をお勧めします。
翼状片の原因は不明ですが、加齢や紫外線、慢性的な刺激などの影響が指摘されています。予防の一環として、サングラス、帽子、日傘などによる紫外線対策をしましょう。
解説:村田 和子
向島病院
眼科 医長
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