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2014.07.09 公開
2025.05.27 更新

虫垂炎

appendicitis

解説:村上 英広 (松山病院 副院長 内科)

虫垂炎はこんな病気

虫垂炎とは大腸の一部である虫垂(ちゅうすい)に起こる炎症性の病気で、一生の間に約7%の人が罹患(りかん)します。「盲腸を薬で散らした」「盲腸を切った」という話を聞かれたことはありませんか? この場合の「盲腸」は「虫垂」を指し、それぞれ「虫垂炎を薬で治した」「虫垂炎で虫垂を切除した」という意味です。
虫垂は、大腸の一番奥の盲腸という部分にくっついた細長い袋状の臓器で、右下腹部に位置しています。さまざまな原因で炎症を起こし、痛みや発熱の原因となります。ひどくなると、腹膜炎を起こして命に関わることもあります。虫垂炎はどの年齢にも起こりますが、10~30歳代の若い人に多く、小児では重症化しやすいといわれています。
典型的な症状は、右下腹部(右の腰骨とおへそをつないだ線の外側3分の1の場所)の痛みです。みぞおちからへその上あたりの痛みから始まり、4~6時間後から吐き気食欲不振が現れ、その後右下腹部痛、発熱と続きます。虫垂炎だと判断するには、痛みが移動することとその順番が重要です。しかし患者さんの約半数は典型的な症状を示さず、診断が難しいことから、医師の間では「たかが虫垂炎、されど虫垂炎」といわれています。

村上 英広

解説:村上 英広
松山病院
副院長 内科


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※診断・治療を必要とする方は最寄りの医療機関やかかりつけ医にご相談ください。

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