済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2015.03.18 公開
◇小児てんかん
てんかんは、大脳ニューロンという神経細胞が、「電位」と呼ばれる信号を、いきなり過剰に発射することによって、発作が繰り返し起きる、慢性の疾患です。全小児の中でこの病気にかかっている方の割合は0.5~0.8%で、国内における患者数は100万人以上とされています。
小児てんかんの特徴は、表1のように年齢によって発生しやすい種類が異なる点です。乳児期に発症するてんかんは、大田原症候群やウエスト症候群など難治性のてんかん性脳症群と、抗てんかん薬が効きやすく、2歳前後には治癒する良性乳児てんかんに大きく分かれます。幼児期以降は、頻度的には小児欠神てんかん、ローランド発作、若年性ミオクローヌスてんかんといわれるものなどが多くあります。
治療法は、症状や検査などから確実な診断を行ない、その診断に基づいた最適の抗てんかん薬を投与することです。最近、難治例でけいれんの原因となる病巣が検査の画像上明らかになる症例では、てんかん脳神経外科による手術例も増加している傾向にあります。
◇熱性けいれん
脳には興奮性ニューロンと抑制系ニューロンというものがあり、脳はそのバランスを上手に保ちながら活動しています。小児では、発熱や嘔吐・下痢などに伴って、このバランスが崩れてけいれんが起こりやすくなります。熱性けいれんは、38℃以上の発熱に伴うけいれんで、継続時間は5分以内が多いのが特徴です。起こりやすい年齢は、6カ月~6歳で、子どもの8~9%と高い頻度でみられます。同日にけいれんを繰り返す例や、けいれんが15分以上継続する例では、髄膜炎、脳炎などの可能性も疑われます。熱性けいれんを繰り返す例では、けいれん予防のため、発熱し始めにベンゾジアゾピン系坐薬を使用するのが一般的です。
解説:田中 主美
川内病院
統括診療部長・小児科部長
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