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シンスプリント
(脛骨過労性骨膜炎=けいこつかろうせいこつまくえん)

Shin Splints

解説:堀越 万理子 (済生会湘南平塚病院 リウマチ関節外科部長 兼 リウマチ・関節センター長)

シンスプリントはこんな病気

足のつま先を上げるときに使う筋肉を過剰に動かすことで起こる病気です。陸上の短距離・長距離、サッカー、バスケットボール、バレーボールなど、ダッシュやジャンプを繰り返すスポーツをしている人に多くみられます。

ひざから足首の内側で、下から3分の1に痛みが発生するという特徴があり、内側の骨(脛骨=けいこつ)に沿ってうずくような鈍痛で始まります。ある一点に痛みが集中する疲労骨折とは明らかに症状が異なります。

図:シンスプリントで痛みが発生する場所シンスプリントで痛みが発生する場所

シンスプリントの原因

足のつま先を上げるときに使う筋肉を過度に使うことで、筋肉に付着する骨膜(骨を覆う膜)に炎症を生じて発症します。硬い地面で繰り返しランニングしたり、シーズンの始めなどでハードなトレーニングを急激に開始したりしたときなどに発症する場合もあり、ランナーに多くみられます。
また、足に合わない靴、クッション性のない靴、筋力不足、筋肉の柔軟性不足、扁平足(へんぺいそく)、O脚も原因の一つです。

シンスプリントの診断

以下の症状による分類に沿って診断・治療します。

Grade Ⅰ:運動時のみ痛みがある。
Grade Ⅱ:運動前後に疼痛(とうつう=うずくような痛み)があるがスポーツ活動に支障はない。
Grade Ⅲ:運動前中後に疼痛がありスポーツ活動に支障をきたす。
Grade Ⅳ:疼痛が強くスポーツ活動は不可能。

Grade Ⅲ以上では運動を休止する必要があります。
画像診断において、X線撮影で異常はみられません。Grade Ⅲレベルでは、MRIで炎症所見が現れることがあり、疲労骨折との鑑別には有効な検査です。

早期発見のポイント

脛(すね)の内側が痛くなったら、まずは走るのをやめることが重要です。発症初期なら走ると痛くなりますが、歩くときには痛くありません。この段階で、痛みが出た原因として運動量の変化や靴の状態などを考えてみる必要があります。クーリング(疼痛部を冷やすこと)、下肢ストレッチ、テーピング、インソールの使用、運動量の軽減などを行なうことで、初期段階であれば症状は2週間程度で治るでしょう。

予防の基礎知識

運動量を急激に上げないこと、十分なストレッチを行なってからランニングを開始することが肝心です。基礎的な体力、筋力、関節の柔軟性を培うことが基本的に重要です。

走る場所の状態を考慮することも必要です。硬い地面を走ると下肢への反発も強くなるので、発症の誘因になります。 靴も重要で、ソールとヒールがしっかりしているものを選び、靴底が薄いものは避け、スポーツの種目にあった靴を探しましょう。

堀越 万理子

解説:堀越 万理子
済生会湘南平塚病院
リウマチ関節外科部長 兼 リウマチ・関節センター長

※当欄に執筆した医師の所属・役職は、異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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