済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2019.06.26
陰茎など性器の周辺に尖った形の小さないぼがみられるウイルス性の性感染症です。一般的に初期の場合には、痛みやかゆみなどの症状がほとんどありません。そのため、感染に気づかないことも少なくありません。
主にヒトパピローマウイルス(HPV)の6型と11型に感染することで生じます。 いぼの中にウイルスが存在し、感染者との性交の際に病変部と接触した皮膚や粘膜に感染します。
ウイルスの潜伏期間は人によってさまざまですが、感染の機会があってから数週間から数カ月といわれています。
乳頭状、カリフラワー状、あるいは鶏冠(けいかん:鶏のとさか)のような特徴的ないぼが、性器(陰茎の亀頭、冠状溝、包皮、膣など)や肛門周囲などに認められます。はじめのうちは、自覚症状はさほどありませんが、徐々に大きくなると痛みやかゆみ、時に出血などもみられます。
一般的には、上記の特徴的ないぼを確認するための診察が重要となります。または、いぼを詳しく調べるPCR検査という遺伝子検査などが行なわれることもあります。
大きく分けて2通りの治療法があります。
1)クリームによる治療
イミキモド5%クリームという薬品を用います。性器や肛門周囲のいぼの治療に適応があります。一般的に、まずこの治療が可能かどうかを検討します。なお、このクリームを実際に使用する際には、「塗った状態で性交を行なわない」などいくつかの守るべきポイントがあるので注意が必要です。医師や薬剤師の説明を受けてから使用開始するのが大事です。
2)外科的治療
いぼが大きい場合などには、メスによる切除、レーザーによる焼灼・蒸散、液体窒素を用いた凍結療法などが行なわれます。なお、治療方法は、いぼの大きさや数、場所、そしてこれまでの治療の有無、回数などにより選択されます。
いぼが大きく、また多発するような場合には、悪性化の可能性もあるため、採取した組織を病理検査に提出するなどの配慮が必要となります。
治療によりいぼがすべてなくなったように見えても、再発する例が少なからずあるので、数カ月程度は通院を継続して、経過を見ていくことがとても大事です。
解説:堀田 浩貴
済生会小樽病院
副院長
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