2016.10.20 公開
開張足(かいちょうそく)
Metatarsus latus
解説:高山 かおる (埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長)
開張足はこんな病気
開張足とは、5本の指のつけ根を横に結ぶアーチの形が崩れて、足の指が横に広がってしまう状態のことです。
自覚症状がないため気づかないことが多いですが、放置すると外反母趾や内反小趾、扁平足などの足病変を引き起こします。ハイヒールやパンプスを履く女性に多く、女性の約9割は開張足の傾向があります。
原因の一つに、靴の問題があげられます。ヒールの高い靴を履いていると、かかとが不安定になり前足部でバランスを取ろうとして、重心が前に移動します。そのため横アーチに無理な負担がかかるのです。その疲労を放置しているとアーチが崩れて開張足になります。
開張足の治療法
治療法は予防方法とほとんど重複していますので、この後の「早期発見のポイント」にて説明します。
早期発見のポイント
症状の一つとして浮き指があります。浮き指とは、横アーチが崩れて指の付け根の部分が床についてしまうことで、足指が地面にきちんと着かずに、浮き上がった状態のことです。浮き指は自覚しやすいので、開張足を見つける一つの指標になります。
予防の基礎知識
症状が軽いうちならひも靴をきちんと結んで履くだけでもテーピング法と同じような効果が得られます。
テーピング法は、アーチの崩れを防ぐために有効です。まず3cm幅程度のテープを用意し、土踏まずからMP関節(足の指のつけ根)にかけてを起点として巻き始めます。足の親指と小指のつけ根を引き締めるように、そのまま3~4回巻きます。こうすることで、落ちた横アーチを補正する効果があります。
解説:高山 かおる
埼玉県済生会川口総合病院
皮膚科主任部長
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