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2022.04.06
精索静脈瘤とは、精巣から心臓へ戻る血液が逆流してしまい、静脈が瘤(こぶ)のようになる病気です。
精巣(睾丸)は陰のうという袋の中に入っています。ただ中に入っているわけではなく、ちゃんと身体とつながっています。そのつながっている部分は陰のうから上のほうへ向かって伸びており、これを精索と呼びます。自分で触ってみることもできます。
精索は、精子の通り道である精管、血管(動脈や静脈)、リンパ管、神経などが束になったものです。そのうちの静脈は精巣から心臓まで血液が戻る通り道で、精索においては細かく枝分かれして網の目のようになっています。これが血流の逆流によって拡張し、瘤のようになっている状態が精索静脈瘤です。
精索静脈瘤は80~90%の人で左右の精索のうち左側に生じます。この理由として、精巣から出る静脈の走行が左右で違っており、左側の方が血液が流れにくかったり逆流しやすかったりするためといわれています。
ほとんどが無症状ですが、たまに静脈瘤のある側の陰のうや、鼠径(そけい)部に痛みや不快感が生じることがあります。特に長時間立っているときや、おなかに力が入っているときに現れます。
また、症状がない場合でも、温かい血が静脈瘤の中に滞ることで精巣の温度が上昇し、精巣が精子をつくる働きに悪影響が出るといわれています。
横になった状態と立った状態での精巣と精索の触診や、超音波(エコー)検査によって、静脈の拡張を認めることで診断できます。
症状がなく生活に支障がない場合は放置しても問題ありません。症状があって困っている場合や、男性不妊症があってこの病気が原因と考えられる場合は手術が適応になります。
手術は、精巣静脈を切断して血液の逆流を防ぐ方法が最も一般的です。静脈瘤を取り除くのではなく静脈瘤の原因を治療するもので、術後に静脈瘤が消失するまでにはしばらく時間を要します。
長時間立っているときに陰のうや鼠径部に症状がある場合(特に左側)や、男性不妊で悩んでいる場合などは、一度は自分の陰のうを見たり触ったりしてみましょう。
床に立って陰のうがぶら下がった状態で観察すると、静脈が拡張して瘤(こぶ)のようにでこぼことしているのが、陰のうの外側からでも見えたり触ったりできることがあります。
この病気は、何の症状もなく普通に生活している男性全員を調べると10~20%の人にみられるとされていますが、その場合はほとんどが治療対象にはなりません。
何らかの症状がある場合や、陰のうの形態の異常が気になる場合は、他の病気の可能性も含めて一度泌尿器科で診断を受けてみるのがよいでしょう。
解説:風間 泰蔵
富山病院
副院長 兼 泌尿器科主任部長
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