済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約67,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、404施設・435事業を運営し、67,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
40都道府県で、病院や診療所などの医療機関をはじめ、高齢者や障害者の支援、更生保護などにかかわる福祉施設を開設・運営。さらに巡回診療船「済生丸」が瀬戸内海の57島の診療活動に携わっています。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2023.05.10 公開
肘部管症候群は、肘の内側の神経の障害によって手にしびれや痛みが生じる病気です。
肘部管とは、上腕骨、靭帯、筋膜・腱膜によって構成された肘関節の内側にあるトンネル状の構造です。その中を尺骨(しゃっこつ)神経が通っています。尺骨神経が肘の変形、腫瘤(しゅりゅう=こぶ)、外傷などのさまざまな原因により慢性的に圧迫されたり、引っ張られたりすることで肘部管症候群を発症します。
初期は薬指・小指から肘にかけてのしびれや痛みから始まります。進行すると、しびれや痛みが増したり、薬指・小指が痩せてきたりします。その後、薬指・小指の屈曲がしづらくなり、結果的に物をつかみにくくなります。さらに進行すると、薬指・小指が曲がったままの状態に変形していきます。その状態を「鷲手(わして)」と表現することもあります。
肘の内側を軽くたたくと薬指・小指にしびれが走る「ティネル現象」や、肘を深く曲げることによる症状の悪化の有無を、視診・触診、聴診器による聴診を行なって確認します。
画像検査では、超音波検査によって尺骨神経の走行状態などの確認を行ないます。
状況によっては、X線、CT、MRI検査などで、尺骨神経が圧迫されている原因(変形、腫瘤など)を調べます。また、末梢神経に電気刺激を加えて引き起こされる反応から末梢神経の機能を調べる「神経伝導速度検査」を実施することもあります。
まずは、飲み薬や塗り薬の処方、リハビリテーション、ギプスによる固定などの治療を行ないます。
しびれや痛みが増す場合などは、原因となっている靭帯などの切離、腫瘤の切除を行ないます。
そのほかに、神経を圧迫の少ない部位に移行させる手術などを行なうこともあります。
解説:北城 梓
二日市病院
整形外科主任部長
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