済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約67,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、404施設・435事業を運営し、67,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
40都道府県で、病院や診療所などの医療機関をはじめ、高齢者や障害者の支援、更生保護などにかかわる福祉施設を開設・運営。さらに巡回診療船「済生丸」が瀬戸内海の57島の診療活動に携わっています。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2014.07.03 公開
デング熱は、デングウイルスを持っている蚊に刺されると感染する病気です。南米、東南アジア、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域で流行しており、国内では、流行地域から帰国した人のうち、年間約200人がこの病気だと診断されています。
蚊に刺されて感染すると、3日~1週間後に頭痛や目の痛み、筋肉痛や吐き気などを伴う発熱が起こります。その数日後、発疹が腹部や背中に広がることが特徴です。治療薬はありませんが、たいていの場合は10日以内に自然に治ります。
ただし、まれに重症化し、”デング出血熱”と呼ばれる出血やショック状態を起こす場合があります。デング出血熱を生じると、緊急入院が必要となり、数%の人が亡くなると言われています。
この症状は、デング熱による熱が下がり始めたころに突然起こることが多いです。全身で出血しやすくなる傾向が生じ、血液中の液体成分が他の臓器ににじみ出るようになります。それにより、鼻血や消化管出血が起きたり、胸部や腹部に水がたまったり、肝臓が腫れたりします。症状が悪化すると、血管内を循環する血液の量が不足し、ショック状態を起こすのです。
特に、過去にデング熱にかかった経験がある人は、再感染するとデング出血熱になる確率が高いです。デングウイルスには4つの型があり、一度デングウイルスに感染すると、その型のウイルスには一生免疫ができます。しかし、それ以外の3つの型に対する免疫は、数カ月で消えてしまい、再度感染すると、より”デング出血熱”を起こしやすくなるのです。
解説:前原 潤一
済生会熊本病院
救急総合診療センター救急科
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