済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2020.08.12
身体の外側が皮膚で覆われているように、口の中は粘膜で覆われています。白板症とはその粘膜の最も外側の部分である上皮が肥厚したもの(細胞数が増えて膨らんだ状態)で、その下の毛細血管が透けて見えなくなり、結果的に白く見える状態を指します。痛みはありません。顕微鏡で見て異形を伴う場合は、がんの前段階にあたる前がん病変として扱われます。
正確な原因は分かっていません。ただし、次のような口の中の慢性的なさまざまな刺激などが考えられます。
・アルコール
・タバコ
・不良補綴物(ふりょうほてつぶつ=合っていないかぶせ物)
・ビタミンA、Bの不足
・加齢
など
口の中が白くなる病気は他にもいくつかあります。カビが増殖した真菌症やニコチン性口内炎、乳頭腫などです。カビの場合はこすると取れますが、白板症は取れることがありません。表面の状態により均一型、不均一型がありますが、後者の方がよくないです。
不良補綴物のある位置が白板症発生部位と一致していて、不良補綴物が原因と考える場合は除去して経過観察します。表面が不均一な場合や異形がある場合は白板症の切除を推奨します。均一型で異形がない場合はしばらく経過観察してよいでしょう。
口の中はライトを当てれば、誰でも鏡で見ることができます。歯磨きの後は、時々舌、口蓋(口の中の上側の部分)、頬粘膜、口底(舌の下の部分)などを観察しましょう。擦っても取れない白色のできものに気づいたら、口腔外科を受診しましょう。
確実な予防法はありませんが、日ごろからしっかりとブラッシングをして、口を清潔にしましょう。尖った詰め物は歯科医院で研磨してもらいましょう。気になるものが見つかったら、口腔外科を受診してください。
解説:浜川 裕之
西条病院
歯科口腔外科センター長
※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。