済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2020.08.26
潰瘍ができたり患部が盛り上がったりすることもある、口の粘膜が赤くなる病気です。触ったり、刺激物を食べたりすると痛みがあり、舌、歯肉、口蓋などに見られます。感染や炎症で赤くなる病気とは異なります。まれな病気ですが、白板症よりも悪性率が高い病気で、約半分はがん化します。
正確な原因は分かっていません。白板症と同じく、次のような口の中の慢性的なさまざまな刺激などが考えられます。
・アルコール
・タバコ
・不良補綴物(ふりょうほてつぶつ=合っていないかぶせ物)
・ビタミンA,Bの不足
・加齢
など
口腔粘膜が境界明瞭な鮮紅色のビロード状になります。類似した病気である白板症や口腔カンジダ症の紅班型、扁平苔癬(かゆみを伴う発疹が現れる病気)、口内炎などとの鑑別が必要です。
がん化する確率が高いので、手術で取ることをお勧めします。術後も長期的に経過観察が必要です。
刺激痛を伴う赤色の粘膜肥厚があれば、紅板症である可能性があるため要注意です。
口腔粘膜が赤すぎる、あるいは白すぎる状態はよくないと覚えておきましょう。特に粘膜が赤くなる紅板症は白くなる白板症よりもがんになる可能性が大きく、悪い状態だといえます。白板症と同じく確実な予防法はありませんが、日ごろからしっかりとブラッシングをして、口を清潔に保ちましょう。また、尖った詰め物は紅板症の原因と考えられるので、歯科医院で研磨してもらいましょう。口腔を観察して気になるものが見つかったら、口腔外科を受診してください。
解説:浜川 裕之
西条病院
歯科口腔外科センター長
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