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2019.08.14
鼻中隔(びちゅうかく:左右の鼻腔を隔てる真ん中の仕切り)が強く曲がっているために、鼻がつまる、においがわからない、いびきがひどいなどの症状を起こしている状態をいいます。
湾曲している部分の形態によっては、鼻出血(鼻血)や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の原因になったり、アレルギー性鼻炎の症状が強くなったりします。 なお、少し曲がっているだけで症状がない場合は、鼻中隔湾曲症ではありません。
図:鼻中隔が強く曲がっている状態
鼻中隔は、上と下は板状の骨で、中央は軟骨でできています。顔の発育とともに鼻腔も発育し、鼻中隔の骨と軟骨も成長しますが、骨よりも軟骨の方が発育が盛んなので、軟骨が少し湾曲してしまいます。そのため、急速に発育する成長期に変形が強くなる傾向があります。
学童期(小学生)には約70%、思春期を過ぎると約90%には、ある程度の湾曲があるといわれています。
ほとんどの場合は鼻の中を直接見ることで診断できますが、手術を検討するようなときには、CTで鼻中隔の全体的な形態を見たり、副鼻腔炎の合併の有無などを確認したりします。
変形が強い軟骨と骨を切除して、鼻中隔の形を整える鼻中隔矯正術を行ないます。一般的には、成長期が過ぎて身長の伸びが緩やかになった15~18歳以降に行ないます。思春期以前に手術を行なうと、鼻中隔が盛んに発育する時期に影響して、鼻の変形を起こすことがあるためです。
鼻中隔の湾曲は成長に伴って起こるので、予防できるようなものではありません。治療してもよくならない鼻づまりや、鼻呼吸ができないことでいびきがひどいなどの症状があれば、診察を受けるとよいでしょう。
解説:小山 徹也
福岡総合病院
耳鼻咽喉科 頭頸部外科主任部長
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