2019.09.04 公開

汗疹 (かんしん、あせも)

sudamen

解説:立川 量子 (二日市病院 皮膚科医長)

汗疹はこんな病気

一般的に「あせも」と呼ばれています。多量の発汗に伴って、汗を分泌する管(汗管)が詰まってしまい、汗の正常な排出が妨げられることが原因です。このとき汗管にたまった汗が、周囲の皮膚組織を刺激して発疹ができます。

図:汗疹ができるしくみ

汗疹の分類とそれぞれの症状

汗管の詰まった部位によって、以下の3つに分類されます。

水晶様汗疹
皮膚のごく浅い部分に汗がたまって起こるもので、透明な小水疱(小さな水ぶくれ)ができますが、かゆみや赤みはありません。乾いた後はカサカサした状態になる場合があります。新生児の顔によくできますが、大人でも発熱時にみられることがあります。汗を拭き取ったり、シャワーで洗い流したりするなど、肌を清潔に保つことで、数日程度で自然に治ります。

紅色汗疹
一般によくみられる、かゆみの強い赤い小丘疹(しょうきゅうしん:ポツポツした盛り上がり)です。表皮に汗がたまって起こるもので、ちくちくした感じや熱感を伴うこともあります。症状のある部分に、ステロイド薬を塗って治療します。かきむしってしまうと、とびひ(伝染性膿痂疹)になる場合があるので注意が必要です。

深在性汗疹
表皮の奥にある真皮に汗がたまり、紅色汗疹を繰り返しているうちに起こります。熱帯地方や高温環境下で長期間働く人に多くみられ、かゆみのない白っぽい扁平丘疹(へんぺいきゅうしん:平らなポツポツ)ができます。広範囲に生じた場合は、体温調節機能の障害により、熱中症を起こす可能性があるため注意が必要です。なるべく汗をかかない環境で安静に過ごすことで改善しますが、全身管理が必要な場合もあります。

解説:立川 量子

解説:立川 量子
二日市病院
皮膚科医長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。
※診断・治療を必要とする方は最寄りの医療機関やかかりつけ医にご相談ください。

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