社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

耳管狭窄症

Tubal Stenosis

解説:竹田 和正 (兵庫県病院 耳鼻咽喉科副部長)

耳管狭窄症はこんな病気

鼻と耳は、耳管という管でつながっています。耳管は耳の中の圧力を調整する機能を持ちますが、何らかの原因で耳管が狭くなってしまう状態になることがあります。耳管が狭くなってしまうこの疾患を「耳管狭窄症」といい、滲出性中耳炎に至るケースもあります。

風邪、副鼻腔炎などによる耳管の炎症が原因に挙げられます。鼻の奥の腫瘍が原因となる場合もあるので、必要に応じて鼻の奥を内視鏡で観察します。また、近年では胃食道逆流症(逆流性食道炎)と耳管機能が関係していることが分かってきました。

図:耳管狭窄症
耳管狭窄症

耳管狭窄症の症状

耳の中の圧力が低下して、耳が詰まった感じになります。山に登ったときやエレベーターで高い階に上がったときに耳が圧迫される感じに似ています。

耳管狭窄症の治療法

耳管の炎症を抑えるため風邪や副鼻腔炎の治療を受けます。鼻のネブライザー(吸入器)や薬物療法と並行して、鼻の奥から中耳に空気を送る「耳管通気」も診察時に行ないます。いずれも効果がなく症状がつらい場合、鼓膜に空けた小さな穴にチューブを入れる「鼓膜チューブ留置術」を行なうこともあります。

早期発見のポイント

診断には症状が確認され、耳の中の詳細な観察、聴力検査、耳の中の状態を調べるティンパノメトリ―などの検査を受ける必要があります。そのため、耳の閉塞感などの症状が現れてからでないと診断は困難です。平常時に耳の圧迫感を感じるなどしたときには、早めに医療機関を受診しましょう。

予防の基礎知識

これまでお伝えしたように、風邪、副鼻腔炎が原因となることが多いです。風邪症状、鼻症状が長引く場合には、専門医での診察と治療を受けるようにしましょう。

竹田 和正

解説: 竹田 和正
兵庫県病院
耳鼻咽喉科副部長


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