2013.07.08 公開
2025.05.27 更新
メニエール病
meniere’s disease
監修:森 一功 (大阪府済生会 富田林病院 耳鼻咽喉科 部長)
耳の異常のサイン、“耳閉感(じへいかん)”
“耳閉感”とは、耳の中が「詰まった感じ」「ふさがった感じ」「膜が張った感じ」「水が入ったような感じ」になることです。登山や飛行機の搭乗、風邪での鼻づまりなどがきっかけで生じることもあれば、何の誘引もなく生じることもあります。耳閉感は、口を大きく開けたり、あくびをしたりするとすぐに治まることが多いのですが、症状が改善しない場合は病気が原因の可能性もあります。
耳の入口付近である外耳(がいじ)では、耳あか、耳掃除のし過ぎによる外耳炎、虫などの異物の混入、耳の入り口から鼓膜までを指す外耳道の腫瘍などによって、“耳閉感”が起きることがあります。鼓膜の内側である中耳(ちゅうじ)では、中耳炎や耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)などが原因になることがあります。中耳よりもさらに奥にある内耳(ないじ)では、突発性難聴、メニエール病などが原因として考えられます。特に、耳鳴りや難聴を繰り返し、強いめまいを伴うメニエール病が近年よく知られるようになりました。
メニエール病はこんな病気
内耳にある内リンパ液は、毎日新しく作られており、作られるのとほぼ同量を体内に再吸収することによって内容量が一定に維持されています。ところがこのバランスが崩れると内リンパ液が過剰にたまり、内耳がむくむようになります。大部分の患者さんにおける内耳のむくみの原因は分かりません。この原因の分からない内耳のむくみ(内リンパ水腫)をメニエール病と呼びます。
メニエール病の症状としては「めまい」「耳鳴り」「難聴」などがあります。
メニエール病の患者さんは几帳面な性格の人が多いといわれています。また、ストレスに適応しにくい人がかかりやすいともいわれています。
監修:森 一功
大阪府済生会 富田林病院
耳鼻咽喉科 部長
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