済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2018.07.25
マイコプラズマニューモニエという細菌が、気管や気管支から感染して起こる肺炎です。発症した人の咳やしぶきを直接吸い込んだり、しぶきに触れた手で鼻や口を触ったりすることで感染します。インフルエンザに比べると感染力は強くありませんが、発症者と濃厚に接触する機会の多い家庭や学校などでは、感染して広がっていくことがあり注意が必要です。患者さんの多くは、幼稚園児~中高生、あるいは若くて持病がない健康な成人で、高齢者は少ないです。
発熱、倦怠感、頑固な咳嗽(がいそう)などが多く、長引く風邪の症状や咳が治らないことをきっかけに外来を受診されるケースがよくみられます。痰や分泌物が少ない「コホコホ」とした乾いた咳は、発症後数日で現れることが多いですが、時間が経過すると痰が混じった湿った咳に変化することもあります。また、マイコプラズマニューモニエの増殖スピードが肺炎を起こす他の細菌に比べてゆっくりのため、感染から症状が出現するまでの潜伏期間は2~3週間と比較的長めになります。
治療には抗菌薬を用います。「マクロライド系抗菌薬」が有効で、効果があれば3日程度で解熱してきます。一方で、2000年頃からマクロライド系抗菌薬が効きづらいマイコプラズマ肺炎が徐々に増えてきており、問題となっています。そのためマクロライド系抗菌薬を使っても良くならないときには、別の抗菌薬に変更する必要があります。このとき、「ニューキノロン系抗菌薬」や「テトラサイクリン系抗菌薬」が用いられます。
マイコプラズマ肺炎の診断後は外来治療が主となりますが、時に重症化することもあります。その場合には入院治療が必要です。重症例ではステロイドを用いたり、人工呼吸器による呼吸管理が必要となったりする場合もあります。
解説:草ヶ谷 英樹
静岡済生会総合病院
呼吸器内科長
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