社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2014.06.11 公開

髄膜炎(ずいまくえん)

meningitis

解説:杉浦 崇浩 (静岡済生会総合病院 新生児科科長)

髄膜炎はこんな病気

髄膜(ずいまく)とは、頭蓋骨と脳の間に存在し、脳を包み込んで保護している膜です。髄膜は3枚の膜(脳に近い方から軟膜、くも膜、硬膜の3層)から成り立っています。軟膜とくも膜との間にはくも膜下腔というスペースがあり、中には脳脊髄液(のうせきずいえき)という栄養豊富な液体が存在しています。この髄膜に、細菌やウイルスが感染して炎症が起こると髄膜炎になります。髄膜炎は大きく分けて、「ウイルス性髄膜炎」と「細菌性髄膜炎」の2つがあります。細菌性髄膜炎は、ウイルス性髄膜炎よりも非常に重い病気です。ウイルス性髄膜炎は通常1週間ぐらいで治癒し、後遺症もほとんどみられません。一方、細菌性髄膜炎は現在の最善の治療を行なっても、死亡率は数%~十数%と高く、後遺症も患者さん全体の20~30%程度にみられます。

髄膜と各部の名称

髄膜炎の治療法

ウイルス性髄膜炎の場合は安静にし、嘔吐頭痛で水分がとれない場合には点滴を行ないます。また、細菌培養の結果が判明するまで(細菌性髄膜炎でないと確定されるまで)抗生剤を使用することがあります。細菌性髄膜炎の場合は、抗生剤の点滴を中心に集中的な治療が必要となります。

杉浦 崇浩

解説:杉浦 崇浩
静岡済生会総合病院
新生児科科長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。
※診断・治療を必要とする方は最寄りの医療機関やかかりつけ医にご相談ください。

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