社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

医師への伝え方

早期診断、早期治療は患者さんからの十分な情報があってこそ。病院を受診した際に、医師へどのように自分の症状や状況を伝えればよいか、ポイントを解説します。

症状の感じ方、訴え方は人によって違います。人によって違う自覚症状を、医師はどのように判断して治療の糸口をみつけるのでしょう。それは、患者さんからの十分な情報があってこそ、早期診断、早期治療が可能になるのです。
自覚症状を上手に伝えるためのポイントは次のとおりです。

(1) 症状の正確な場所、症状の性質を伝える
その症状がある体の場所を具体的に示してください。症状はその場所だけにとどまっているのか、あるいは広がっているのか、場所が変化するのか。また、どのような症状なのか説明してください(痛みならズキズキ、キリキリ、チクチク、ヒリヒリ、ジンジン、あるいは「針で刺される」「電気が走る」「焼けるような」「締め付けられる」など)

(2) 症状の辛さの程度と困り具合を伝える
その症状によって日常生活や仕事にどのような支障が出ているのか具体的に説明してください。また、いままでに経験した症状の辛さと比較してどうなのかを伝えることも有効です。症状の辛さを10段階で表現したり、フェイススケールなどで示したりする方法もあります。

(3) 症状が起こったときのこと、症状が出たきっかけを伝える
その症状がいつから、どのような状況で、何をきっかけに始まったかを具体的に説明してください。

(4) 症状が時間とともにどのように変わったかを伝える、悪化または軽減するきっかけがあれば伝える
その症状が時間経過の中でどのように変化しているかを具体的に説明してください。
・秒単位、日単位、月単位、など
・強くなったり弱くなったりする、だんだんひどくなっている、急に起こってそのまま続いている、など
また症状が悪化したり和らいだりするきっかけがあれば教えてください(「冷風に当たったとき」「夜間寝ているとき」「姿勢を変えると」など)

中村隆志

解説:中村 隆志
済生会滋賀県病院 院長代行
医学博士、日本内科学会総合内科専門医・指導医

滋賀県病院 総合内科

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