前立腺肉腫

前立腺肉腫はこんな病気

男性特有の臓器である前立腺に発生する悪性腫瘍の一つです。
前立腺に発生する悪性腫瘍は約9割が前立腺がんで、前立腺肉腫の発生頻度は0.3％と非常にまれな病気です。前立腺がんと比較し、比較的若い年齢層に発生するといわれています。進行も早く、根治は困難となる場合が多いです。

前立腺肉腫の症状

発症初期では無症状ですが、腫瘍が大きくなると排尿障害が出現してきます。また、尿や精液に血が混じることもあります。近年は、前立腺がんの腫瘍マーカー(腫瘍の状態の目安として使われる、腫瘍がつくり出す特殊な物質のうち体液中で測定できるもの)である前立腺特異抗原(PSA)の測定のため泌尿器科を受診し、前立腺生検を受けて発見される場合も出てきました。 

前立腺肉腫の治療

確立されたものはなく、手術的に治療が可能な場合は摘出し、手術が困難な場合は放射線治療や抗がん剤を用いた化学療法を行ないます。ただし、手術的に完全に摘出しない限り根治は困難で、発見後約3年以内に亡くなる場合が多いようです。

排尿障害、肉眼的血尿があったり、精液に血液が混じったりしたら泌尿器科を受診してください。特に無症候性血尿(血が混じった赤い尿が出る以外に痛みなどの自覚症状がない)がみられる場合は、この病気のみならず泌尿器に関する悪性疾患の可能性があるので、早めに受診してください。

まれな病気であり、原因も解明されておらず、現時点では根拠のある予防法はありません。早期発見が何より重要です。