済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2016.05.25
適応障害は、ストレスなどが原因で、仕事や学校・家事などの場面にうまく適応できなくなる病気の総称です。
抑うつや不安などの情動面の異常を伴ったり、不登校や無断欠勤などの行動面の異常を伴うことも多くみられます。
適応障害を引き起こすストレスは環境の変化が多く、特に、進学や就職によって環境が変わることで強いストレスを感じることがあります(特集「五月病」を参照)。そのような場合はストレスの原因をすぐに取り除くことが困難なので、本人の適応能力を高めるようにカウンセリングを行います。カウンセリングでは、ストレスに対する受け止め方を改善する認知行動療法などが行われます。
カウンセリングによって症状や適応能力が改善されることもありますが、今までできなかったことがすぐにできるようになるわけではありません。学校や職場などの環境になじめるかどうかという問題もあるので、医療者だけではなく、家族や学校、職場の関係者などさまざまな人と協力し、最終的には環境そのものを変えるという選択肢も検討が必要です。
適応障害は、学校や職場で指示されたことがきちんとできないなどをきっかけに、周囲の人が気づくことが多い病気です。早期に発見するためには、気づいた人が放置しないことが重要です。難しくないことができなかったり、簡単な計算が遅かったり、書くことが遅いなど症状はさまざまですが、仕事や学校での生活に支障をきたすようであればなんらかの介入が必要です。また、適応障害と診断されてからその後にうつ病に進行する人もいるので、発見した場合には放置せずに治療に取り組むようにしましょう。
適応障害を予防するためには、ストレスを発散することが効果的です。運動や趣味など自分の好きなことをして、ストレスをためないようにしましょう。
また、なるべく早期に発見してカウンセリングに取り組むことで、適応能力を高めることができます。周囲のサポートによる助言や協力を得ることも大切です。普段から悩みを他人に相談するなど、一人で背負い込まないようにする工夫も必要です。
解説:土田 治
飯塚嘉穂病院
副院長・消化器病センター長・心療内科
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