済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約67,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、404施設・435事業を運営し、67,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
40都道府県で、病院や診療所などの医療機関をはじめ、高齢者や障害者の支援、更生保護などにかかわる福祉施設を開設・運営。さらに巡回診療船「済生丸」が瀬戸内海の57島の診療活動に携わっています。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2019.09.11 公開
眼球の表層にある角膜は黒目の部分に相当し、5層に分かれています。このうち、最も内側にあるのが角膜内皮で、ここが傷つき、角膜に浮腫(むくみ)、混濁が生じた状態を角膜内皮障害といいます。
角膜内皮細胞と角膜
角膜内皮は角膜内皮細胞から成っていて、目の中を流れる水分が角膜内に侵入するのを防ぐ働きをしています。しかし、角膜内皮細胞は一度傷つくと再生しないため、細胞数は減る一方で増えることはありません。細胞数が減ると細胞の面積を拡大して機能を果たしますが、減りすぎると補完できなくなります。すると、角膜の層に水分が入り込むため、本来透明な組織である角膜が濁ってしまいます。
角膜内皮が傷つく原因には、以下があります。
(1) 外傷
(2) 目の手術
(3) レーザーによる虹彩切開(閉塞隅角緑内障発作の治療、予防のため)
(4) 急性緑内障発作
(5) 目の中の炎症(ぶどう膜炎など)
(6) 先天性、遺伝性の内因疾患
(7) コンタクトレンズの使用
(8) 加齢
角膜内皮障害が進行すると、角膜の浮腫のため視力が低下します。さらに進行すると、角膜の最も外側の層(角膜上皮)に水疱(すいほう=みずぶくれ)やびらんを生じるため、強い痛みが出るようになります。このような状態を「水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)」といいます。
視力が低下した場合には角膜移植が必要となります。以前は、水疱性角膜症に対して角膜の5層すべてを移植する全層角膜移植が行なわれていましたが、最近では角膜内皮細胞層のみ移植する方法が主流になってきています。
解説:加畑 隆通
水戸済生会総合病院
副院長
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