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済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
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2017.11.29
アキレス腱とは、足の踵(かかと)の腱のことで、ギリシャ神話に登場する不死身の英雄アキレスの唯一の弱点であったといわれています。人体最大の腱で、約1トンの牽引力にも耐えるような強固な構造をしており、下腿後方の腓腹筋、ヒラメ筋が合流して、アキレス腱となり足関節を底屈※します。この腱が、さまざまな動作によって切れてしまうのがアキレス腱断裂です。
※底屈: 関節を足の裏(足底)の方向に折り曲げる運動の向きのこと
図1:アキレス腱断裂
アキレス腱断裂は、30~50代のスポーツ愛好家や、久々にスポーツをしたり、子どもの運動会に出て運動をした方などに起こりやすいです。踏み込み、ジャンプ、着地動作などの瞬間に「踵を蹴られた、ボールが踵にあたった、踵でブチッと音がした」感覚があり、歩行に障害をきたします。
治療としては、ギプスによって足関節を底屈位で固定する保存治療と、腱縫合による手術療法があります(図2)。どちらも長所と短所があり、スポーツへの要望や全身状態等を加味して選択していきます。少なくともスポーツ復帰に半年程度は時間を要します。
図2:アキレス腱縫合による手術療法
「医学解説」で述べている、受傷時に「人から踵を蹴られたような」という症状が伴う場合は、まずアキレス腱断裂を疑いましょう。歩けることもありますが、つま先立ちができなくなるのが特徴です。断裂部のへこみが触って確認でき、同部に圧痛が見られることが多く、うつ伏せで膝を直角に曲げた状態でふくらはぎをつまんでも足関節が曲がらなくなります(Thompsonテスト <図3>)。
通常のレントゲンでは、断裂部のへこみ程度しかわかりませんが、ときに踵骨が骨折している可能性もあるため、レントゲン撮影もします。超音波での診断が有用です。
図3:Thompsonテスト
スポーツの際にはアキレス腱のみならず、脊椎や四肢の全身のストレッチを事前に行なうように心がけましょう。とっさのときに、アキレス腱のみに力がかからないような柔軟性が重要です。また動脈硬化、痛風、高脂血症なども腱の変性につながるといわれているため、生活習慣病自体の治療も予防としては必要です。
解説:進 訓央
済生会八幡総合病院
整形外科部長
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